老化は恐竜のせい?
先日、ネットニュースで「哺乳類の老化現象、原因は恐竜のプレッシャーか 英バーミンガム大教授が提唱」という記事を読んで、目からウロコでした。今回は、その驚きの説を皆さんにもご紹介したいと思います。 過酷な中生代を生き抜くための戦略 今から約2億5000万年前、地球は中生代と呼ばれる時代でした。この時代は、ティラノサウルスやトリケラトプスに代表される恐竜たちが地球を支配していました。 私たち哺乳類の祖先は、恐竜たちの影に隠れてひっそりと暮らす、ネズミほどの小さな存在でした。いつ恐竜に襲われるかわからない、そんな過酷な環境で生き残るためには、「ゆっくりと成長して長生きする」という戦略は通用しませんでした。 そこで、哺乳類の祖先がとったのは、**「短期間で成長し、子孫をたくさん残す」**という生存戦略です。 早く成長して、早く繁殖する 代謝を高速化して、活発に活動する この戦略により、哺乳類は絶滅せずに生き残ることができました。しかし、このときに獲得した性質が、現代の私たちの老化を早めている原因ではないかと考えられています。 老化の原因は「細胞分裂」にあった この説を提唱したのは、バーミンガム大学のジョアン・ペドロ・デ・マガリャエス教授です。彼の説によると、恐竜時代の生存戦略が、私たちの体にある「老化のスイッチ」を早めに押してしまうことにつながったといいます。 その鍵となるのが、細胞の染色体の末端にある「テロメア」という部分です。細胞が分裂するたびにテロメアは少しずつ短くなっていき、ある程度の短さになると、細胞は分裂を止め、老化や死に至ります。 恐竜時代の哺乳類は、早く成長するために細胞分裂を繰り返しました。これにより、テロメアの短縮が早まり、老化のプロセスも早期に働き始めたと考えられています。そして、この「早く老化するプログラム」が、遺伝子に組み込まれ、恐竜が絶滅した後も私たち哺乳類に受け継がれたというのです。 鳥類や爬虫類はなぜ長寿なのか? 一方、鳥類や一部の爬虫類(カメなど)には、比較的長生きする種が多くいます。彼らは恐竜と共通の祖先を持つにもかかわらず、なぜ長寿なのでしょうか? これは、彼らが哺乳類とは異なる進化の道を歩んできたからです。 カメ: 硬い甲羅に身を守られ、代謝も非常に遅いため、ゆっくりと成長し、長生きする戦略を維持できました。 鳥類: 空を飛ぶことで、...