LTWOO eRX(9)の不具合

(症状)

アプリを使ってセットアップ。セットアップ後にスリープモードに入ると復帰後にシフトボタンを操作してもRDの赤ランプが点灯して変速しない。


(原因と対処法)

LTWOO eRX(9)(電動コンポーネント)で発生しているその症状は、初期モデルや特定のファームウェアバージョンで報告されている典型的な挙動です。


主な原因として考えられる3つのポイントと、そのメカニズムを解説します。


## 1. ファームウェアの「不揮発性メモリ」への書き込み失敗

最も可能性が高い原因は、アプリで行った設定内容がリアディレイラー(RD)内部のメモリに正しく保存(コミット)されていないことです。


* **原因:** ERXのシステムは、アプリで設定を変更した後に特定の「保存確定」プロセスが正常に完了しないと、電源オフ(スリープ)時にデータが消去され、工場出荷状態に戻ってしまうバグが存在します。

* **症状との関連:** 再接続時に初期化されているのは、一時的なキャッシュ(RAM)にのみデータがあり、永続的なストレージに書き込まれていないためです。


## 2. スリープ復帰時のペアリング・同期エラー

RDの赤ランプが点灯して変速しないのは、システムが「通信エラー」または「セーフモード(保護機能)」を検知している状態です。


* **原因:** スリープから復帰する際、左右のレバー(シフター)とRDの間でID照合(ペアリング確認)が行われます。設定が初期化されていると、RD側がレバーからの信号を「未知のデバイス」と判断し、動作を拒否してエラー(赤ランプ)を出します。

* **保護機能の作動:** また、位置設定(トリム調整)がリセットされたことで、ディレイラーが物理的な可動域を超えると判断し、モーター保護のためにロックがかかっている可能性もあります。


## 3. バッテリーの電圧低下または接続不良

電子変速機は、スリープ中もペアリング待機のために微弱な電力を消費しますが、電圧が一定以下になると設定を保持できなくなることがあります。


* **原因:** バッテリーと各ディレイラーを繋ぐケーブルの接触不良、あるいはバッテリー自体の電圧不足により、スリープ移行時にシステムが「強制リセット」に近い状態に陥っている可能性があります。


### 推奨される対処法


不具合を解消するために、以下のステップを順番に試すことをお勧めします。


1.  **最新ファームウェアへのアップデート:**

    Ltwooの公式アプリを最新版にし、RDおよびFD(フロントディレイラー)のファームウェアを更新してください。初期の不具合の多くは、2024年以降のアップデートで改善されています。

2.  **物理的なリセット(工場出荷時への復元):**

    一度アプリから「Factory Reset」を行い、すべての設定をクリアしてから、再度最初からセットアップをやり直してください。

3.  **アプリの「Save」ボタンの確認:**

    設定変更後、画面上の「Save」や「Confirm」を押し、アプリを閉じる前に一度RDのボタンを物理的に押して動作を確認してからスリープに入るようにしてください。

4.  **バッテリー接続の再確認:**

    シートポスト内のバッテリーとジャンクション(または各ディレイラー)の接続端子が奥までしっかり差し込まれているか確認してください。


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