ホンダ「0 α」はインドで開発継続中
ホンダ「0 α」はインドで開発継続中。2027年の日本導入を静かに待ちたい
ホンダが次世代EVとして開発している「Honda 0 α(ゼロ アルファ)」の動きが、少しずつ具体的になってきました。
Honda 0 αは、2025年10月のJapan Mobility Show 2025で世界初公開されたSUVタイプのEVです。
ホンダは「Honda 0シリーズ」の開発思想として「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を掲げています。0 αもこの考え方に沿って開発され、比較的低い全高とSUVとして必要なロードクリアランス、広い室内空間の両立を目指しています。
そして2026年に入ってから、この0 αの開発がインドでかなり具体的な段階に進んでいることが分かってきました。
インドではすでに実車テストが始まっている
2026年3月、インドで0 αの量産モデルを想定したテスト車両の走行試験が始まったと報じられました。
Autocar Indiaによると、テストは都市部、高速道路、荒れた路面など、インドのさまざまな道路・気候条件を使って行われています。また、量産車はインド・ラジャスタン州のタプカラ工場で生産され、インド国内だけでなく日本を含む輸出市場にも供給される計画とされています。
さらに6月には、インドで走行するテスト車の車内を撮影した写真も報道されました。
そこからは、大型のセンターディスプレイとデジタルメーター、フラットボトム形状のステアリングなどが確認されています。一方でセンターコンソールには物理スイッチらしきものも残されており、ショーカーというより量産車を意識した内装になってきているように見えます。
もちろん、テスト車なので最終仕様とは限りません。それでも、実際に公道を走る車両が存在するところまで開発が進んでいることは確かです。
2026年9月時点でも計画は生きている
気になるのは、ホンダが2026年3月にEV戦略を大幅に見直したことです。
ホンダは米国で生産する予定だった「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」と「Acura RSX」の開発・発売中止を発表しました。
EV市場の成長鈍化を受けたかなり大きな方針転換です。
そのため、同じ0シリーズである0 αも影響を受けるのではないかと思われました。
しかし、今のところ0 αは別扱いになっています。
Autocar Indiaはホンダ・インド側に確認し、「インドのEV計画に変更はなく、0 Alpha SUVは計画通り」とする回答を伝えています。
さらに2026年9月25日付のインドでの報道でも、0 αは2027年投入予定のモデルとして扱われています。つまり少なくとも現時点で、0 αの計画が中止されたことを示す情報は確認できません。
実は「日本で発売してほしい」から一歩進んでいる
そして日本のユーザーにとって重要なのが、日本導入についてです。
これは現在、単なる予想ではありません。
ホンダは0 αを発表した際、
「量産モデルは2027年から日本やインドを中心に、グローバルでの販売を予定」
と公式に発表しています。
2025年のJapan Mobility Showにおける三部敏宏社長のスピーチでも、0 αを日本で展開する方針が示されています。
さらに興味深いのは、その後ホンダがEV戦略を見直したにもかかわらず、現在のホンダ公式サイトでも0 αについて「2027年に日本やインドを中心に投入するグローバル戦略モデル」と記載されていることです。
したがって2026年9月時点では、
「0 αが日本に来る可能性がある」ではなく、「ホンダは0 αを2027年から日本でも販売する計画を維持している」
と考えるのが適切でしょう。
インド生産という点も興味深い
個人的に注目しているのは、0 αがインドを重要な開発・生産拠点としていることです。
ホンダは2026年の事業方針で、北米、日本と並んでインドを重点地域に位置づけています。インドについては現地の特性や嗜好に合わせて性能要件そのものを見直し、商品競争力を高める方針も示しています。
0 αがインドで生産され、日本にも輸出されるのであれば、日本向けEVとしては少し珍しい成り立ちのクルマになります。
一方で、それは価格面では期待材料になるかもしれません。
EVではバッテリー価格の影響が大きく、車両価格が高くなりがちです。0 αが「0シリーズへの入り口となるゲートウェイモデル」という位置付けである以上、日本でどの程度の価格に設定されるのかは、このクルマの評価を大きく左右しそうです。
大型・高価格EVとは違う0シリーズを見てみたい
Honda 0シリーズは当初、かなり未来的で高価格なEVという印象がありました。
しかし0 αを見ると、その方向性は少し違っています。
SUVとして十分な最低地上高を確保しながら車高を抑え、室内空間を確保するという設計は、日本の道路環境でも使いやすそうです。
デザインも0シリーズらしい未来的な雰囲気を残しながら、極端なショーカーには見えません。
インドで走っているテスト車を見る限り、0 αはコンセプトカーから現実の市販車へと着実に近づいているようです。
2027年を待ちたい
ホンダのEV戦略は、この一年で大きく変化しました。
米国向け0シリーズの一部が中止されたことからも分かるように、EVを取り巻く環境は数年前とはかなり違っています。
その一方でホンダは、日本とインドを重点市場として位置付け、0 αについては2027年の投入計画を維持しています。
インドではすでに量産モデルを意識した実車テストが進み、内装まで確認できる段階になりました。
航続距離、バッテリー容量、モーター出力、日本での価格など、まだ正式に発表されていない部分は多くあります。
それでも、現在分かっている情報を並べてみると、0 αは「いつか発売されるかもしれないコンセプトカー」から、かなり現実的な市販車へ移行しているように見えます。
インドで開発・生産され、日本にも導入される新しいホンダのEV。
2027年、日本仕様がどのような形で登場するのか。もう少し待ってみたいと思います。
主な情報源
・Honda公式「Honda 0シリーズの新たなSUVモデル Honda 0 α」発表資料(2025年10月29日)
・Honda公式「Japan Mobility Show 2025 三部敏宏社長スピーチ概要」
・Honda公式「四輪電動化戦略の見直し」(2026年3月12日)
・Honda公式「2026 ビジネスアップデート」(2026年5月14日)
・Honda公式 Climate Change-related Disclosures(0 αの2027年日本・インド投入を記載)
・Autocar India「Honda begins testing 0 Alpha SUV in India」(2026年3月)
・Autocar India「Honda 0 Alpha EV interior spied」(2026年6月)
・Mint「Honda expands India SUV lineup」(2026年9月25日)
